海水浴や川遊びなど夏のレジャー真っ盛りだが、注意したいのは水の事故。警察庁によると、昨年1年間に水難事故で死亡・行方不明になった人は800人を超える。事故で多いのが、洋服を着た状態で溺れるケース。そんなときは、水に浮いて呼吸を確保し、救助を待つ「着衣泳」が有効という。「Uitemate(浮いて待て)」を合言葉に小学校などでは講習が盛んに行われ、海外にも広がっている。(横山由紀子) ◇ ◆ラッコのように 6月下旬、大阪府茨木市の市立春日小学校のプールで、4~6年生を対象にした「着衣泳」の講習会が行われた。児童らはTシャツにズボン、運動靴を履いたままプールの中へ。「水が冷たい」「ズボンが重いよ」…。子供たちは口々に叫んで動きにくそうだ。 講師は、水難からの生還法を広める水難学会(新潟県長岡市)の指導員。「水に落ちても服や靴は脱がない。浮力になるし、服は体温を