昨秋、インターネット上で炎上した「G型・L型大学」の議論についてご存じだろうか。発端は文部科学省が2014年10月に開いた有識者会議。委員を務める経営共創基盤の冨山和彦CEOが、「日本の大学の大半を職業訓練校にするべきだ」と提言したのだ。 提言では大学をG(グローバル)型とL(ローカル)型に二分。G型はごく一部のトップ大学・学部に限定し、グローバルに通用する極めて高度な人材輩出を目的とする。そのほか大多数の大学・学部は、地域経済の生産性向上に資する職業訓練を行う――としている。 アカデミズム一辺倒で事実上、偏差値でしか差別化できていない日本の大学に、新たに「実学」というラインを作るべきだという主張だ。当然ながら、大学教員からは激しい反発があった。一方で、「社会に出て役立つ実学の方が求められている」という肯定意見も少なくない。今なぜ実学なのか。大学教員からの批判にいかに反論するのか。冨山氏が