2012/2/811:41 「日本のセーフティーネットはスカスカ」―『困ってるひと』著者・大野更紗氏が語る社会保障の“現実” わけのわからない日本の社会制度は“モンスター” ―ご著書の中では社会保障の手続きの難解さを「モンスター」と表現されていますが、健康な状態で日常生活を送っていると、この表現の実態は理解できないと思います。ですので、具体的に教えていただけますでしょうか? 大野更紗氏(以下、大野氏) 「社会保障」と一言に言っても非常に範囲は広いですし、分野も多岐に渡りますので、なかなか全体がこうとは言いにくいです。その前提の上でお話しますが、そもそも日本のいわゆる「健常者」として暮らしていたら、お役所の窓口というのは非常に縁遠い存在だと思います。 わたしは2008年9月に発病したのですが、それまでは大病を患ったことも入院したこともありませんでした。病気や障害とはまったく無縁の生活を送って