九州に患者が多い成人T細胞白血病(ATL)やHTLV1関連脊髄症の原因ウイルスHTLV1の感染者が、2015年は多くて82万人と推計され、8年前より26万人以上減ったことが8日、日本医療研究開発機構の研究で明らかになった。国立感染症研究所の浜口功血液・安全性研究部長は「若い世代の感染者が減っており、国の母子感染予防対策の効果が出た」とみている。 同日開かれた厚生労働省のHTLV1対策推進協議会で発表された。感染者数は献血者のデータで推定しており、07年時点で108万人だった。陽性の判定方法の変更で判定保留者を含むようになり、15年は最少で71万6千人、最多で82万人と推定している。地域別では九州が最も多い。 HTLV1は主に母乳を介して母子感染するが、性交渉でも感染する。今回の研究では、青年期や成人後に新たに感染するのは年間4千人以上と推計され、特に50代女性、60代男性が多いことも判明し