◇新しい家族増える 《恵楓園を出てから6年後の1969年、家族が1人増えることになった》 事情があって親類の赤ちゃんを養女として育てることになったんです。妻には恵楓園で堕胎させられた過去がありますし、2人とも戸惑いがなかったわけではありませんが、実際に家に来てみると、やっぱり可愛かったですね。妻が一生懸命ミルクをあげて、娘はだんだん大きくなっていく。そのうち歩き始めて、言葉を話すようになって。3歳からは私が毎日ピアノを教えました。 ただ、可愛がるだけではやっぱりいかんなと。人より体が大きかったので「弱い者いじめだけはするな」ということは厳しく言ってました。だから、ちょっとでもいじめられている子がいると飛んでいって、男の子とけんかしたりするような活発な子になりました。 《娘の成長はうれしかったが、不安もあった》