大分市と大分空港(大分県国東市)を結ぶ「大分ホーバーフェリー」が31日、運航を終了した。国内唯一のホーバークラフトの定期航路だったが、利用客の落ち込みを受け、38年間の歴史に幕を下ろした。 最終日は臨時を含む32便に約3000人が乗船した。 大分市の乗り場では午後5時半の最終便を待つ乗客に、運航会社の安達龍雄・営業部長が「幾多の困難を乗り越えて来たが、この日を迎えました」と涙ながらにアナウンス。記念の乗船も多く、大分県別府市の主婦姫野直美さん(39)は「まだ乗ったことがない子供たちを乗せたくて来ました」と話していた。 同社は1970年、県や大分交通などが出資して設立。71年の大分空港開港に合わせて運航を始めた。利用客は90年度に43万9000人を記録。しかし、自動車専用道が整備されてバスとの競争が激化したことなどが影響し、2008年度は24万9000人となった。負債総額は5億7300万円で