妊婦の超音波検査について、日本産科婦人科学会は、胎児の染色体や遺伝子の異常を調べる「出生前診断」になり得ると位置づける見解(指針)案をまとめた。超音波検査は近年、画像の精度が上がり、画像上の特徴から異常が推測できるようになった。夫妻に十分説明し、出生前診断として実施する際は同意を得るよう求めている。 見解は学会(理事長=吉村泰典慶応義塾大教授)の自主規制としてのルール。今月下旬に理事会で最終的に議論し、4月の総会で正式に決める。 通常の妊婦健診では従来の出生前診断はしないが、超音波検査(エコー)は実施されている。近年は胎児の染色体の数が多いなどの異常の可能性もある程度わかるものの、医師も妊婦もこれが出生前診断になるという認識は薄い。日本周産期・新生児医学会の昨年の調査では、半数の産婦人科医が妊婦の同意をとらずに検査していた。 超音波検査で染色体異常がわかる確率は妊婦の年齢などにより違