広告※ 表紙の亜梨沙の服装。本文中では「すばやく着替えをすませ」(167ページ)たあとなので、「ズボン」(147ページ)です。 『それでも人のつもりかな』を読んで神奈川 花子 『それでも人のつもりかな』は、安っぽい子ども向けの本だ。しかし、ブンガク面した奴らに、私たちの何が分かるというのだろう。いかめしいハードカバーの文学全集のなかに、今の、この、私たちに向き合う何があるというのだろう。 私たちは安っぽい生を生きている。私が毎日を過ごしているのは、百円ショップのプラスチックとファーストフードのゴミくずに埋もれた、病的にカラフルな部屋のなかだ。自分で最後にりんごの(本物のりんごの!)皮を剥いたのはいつのことだろう。アップルパイの包み紙はそこらじゅうに散らかっているのに。 娯楽だって、安っぽいのが良いのだ。いや、むしろ、安っぽいからこそ娯楽なのだ。 『それでも人のつもりかな』は、ケータイ小説の
広告 『ルラルさんのだいくしごと』を読んで 神奈川 太郎 ぼくは『ルラルさんのだいくしごと』を読んで、はじめ、ぜんぜんいみがわかりませんでした。いったいこのお話は、なにが言いたいのだろう? だいたい「かわら」って何? そこで、ぼくは、このお話をお父さんにも読んでもらうことにしました。 「ねえねえ、お父さん、このお話、いったい何が言いたいの?」 お父さんに言わせれば、このお話は「はしごをはずされる」お話だそうです。 「はしごをはずされる」というのは、大人のことばで、「友だちのうらぎりで、たいへんなことになる」ことのたとえだそうです。 ルラルさんは、雨もりをなおしにやねにのぼります。しごとはぶじにおわりました。ところが、やねからおりようとしたときに、はしごがたおれてしまっていることに気づきます。ルラルさんはにわのみんなにこえをかけて、たすけてもらおうとしました。みんなはすぐにやってきたのですが
広告『きみ、なにがすき?』を読んで神奈川 太郎 『きみ、なにがすき?』をよんで、ぼくは、 「あなぐまくんとは、友だちになれそうにないなあ」 と思いました。あなぐまくんが、友だちのことを気にしすぎているからです。友だちの気もちばかり考えているのは、うっとうしくありませんか。ぼくがすきなものをもって、 「こういうのがすきなんでしょ?」 と近づいてくるあなぐまくん。いま、べつにそれはいらないな、と言うと 「なにしたら、きみ うれしいんだい?」 とおこりだすあなぐまくん。そんなあなぐまくんは、うっとうしくありませんか。 自分のにわには、自分が「いちばんつくりたいもの」を作ればいいと思います。だいたい、自分に作りたいものがない人に、何かを作ってほしいですか? あなぐまくんはほかの友だちのことを気にしすぎです。もっと自分のことを考えたほうがいいと思います。まわりのみんななんて、どうでもいいではありませ
秦野市立図書館はティーンズ向け「おすすめの本」を、「10代のあなたに」と題した冊子にまとめています。 秦野市ホームページには第19集までしかアップロードされていませんが、冊子体は第56集まで発行されています。 https://bit.ly/2LYfipR 参考 秦野市,「おすすめの本」, http://www.city.hadano.kanagawa.jp/www/contents/1001000001841/index.html https://web.archive.org/web/20180806235811/http://www.city.hadano.kanagawa.jp/www/contents/1001000001841/index.html ,2018年8月7日閲覧.
広告『僕は上手にしゃべれない』を読んで神奈川 太郎 『僕は上手にしゃべれない』は「ハーレム物のライトノベル」である。この本に関する私の感想は、すべてここに収束する。 作者と読者との間でジャンルに関する合意が形成されるのは、物語が始まってすぐ、椎名美雪先生が登場するところにおいてだ。 先生は「まだ二十代に見える、若い女の先生」だ。「ぞんざいなしゃべりかたをする先生だった。声も女性にしては少しハスキーで、髪も短めだ」。彼女のしゃべり方は例えばこんな感じだ。 「それとあのあと席替えをした。くじ引きで決めて、柏崎のくじは私が引いたんだが、目が悪くて前の席がいいとか希望あったか?」 話し言葉で「だが」という人は、ふつういないだろう。 「じゃあ明日から、お前の席は窓側から二列目の一番後ろだ。今日の席とまちがわんようにな」 「まちがわんようにな」などと話す女性は、サブカルチャーの世界にしか存在しない。彼
広告『青空トランペット』を読んで神奈川 花子 『青空トランペット』は、吉野万理子さんが小学生向けに書いた物語です。 私が吉野さんの本を読んだのは、これが二冊目でした。一冊目は『いい人ランキング』で、とてもおもしろく読んだことを覚えています。『青空トランペット』もきっとおもしろいはずだ。そう思って読み始めた私の期待は、最後に本を閉じたとき、豊かな満足感へと変わっていました。吉野さんのような素晴らしい作家さんが、私と同じ横浜にお住まいだなんて! 『青空トランペット』は、プロのシェフが作ったお子様カレーです。お子様向けなので甘口です。決定的な破局が訪れることもなければ、恐ろしい悪者も出てきません。安心して読むことができます。 しかしそれでいて、読者を決して退屈させないのがシェフの腕の見せ所です。良い具材を見定め、おいしく味付けしていきます。お子様用に細かく、食べやすくカットされてはいても、そのう
広告『ぼくたちのリアル』を読んで神奈川 花子 この夏、読書感想文コンクールの選考委員になった先生方はとてもラッキーです。なぜなら、『ぼくたちのリアル』の感想文をたくさん読めるからです。この本ほど、他のみんなの感想を知りたいと思う本はありません。 私はこの一冊を、一気に読み通さずにはいられませんでした。まず、くだけた文章があっという間に私を物語へと引き込みました。そして、キャラクターとストーリーが、私をとらえてはなしませんでした。 主人公のアスカはふつうの子。そんなアスカの幼なじみが、何事もカンペキに見える「王子様」のリアルです。王子様には人には言えない秘密があります。また、だれにも知られたくない弱さがあります。その心のすきまを、アスカが満たしていってあげます。アスカはだんだんと、リアルにとってかけがえのない存在になっていきます。そう、これは、ふつうの子が王子様と結ばれていくシンデレラ・スト
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