広告 『茶畑のジャヤ』を読んで 神奈川 太郎 この物語は、主人公の周くんがスリランカへと旅して成長するお話です。ぼくは最後のページを読み終えたとき、 「さあ、君も旅に出ようよ」 と、さそわれているような気がしました。 物語は大きく二つの場面に分かれています。周くんが日本の学校でいじめられている場面と、彼がおじいちゃんと一緒にスリランカを旅して周っている場面です。 ぼくには、そのどちらもが、ファンタジーのように思えました。周くんが、ぼくたちに比べて、あまりにも恵まれているように感じられたからです。 周くんは、夕方のきれいな景色を自然に言葉にして表すことができます。学校では全科目とも一番の成績だし、となりの席にはやさしい加奈ちゃんがいます。お父さん・お母さんも、とてもできた人です。何より、周くんには、辛い時にスリランカへと連れていってくれるおじいちゃんがいました。 スリランカへ渡っても、周くん