広告 『犬が来る病院 命に向き合う子どもたちが教えてくれたこと』を読んで 神奈川 太郎 私は『犬が来る病院』を読んで、人の命の価値について考えずにはいられなかった。 ひとりの命を救う――ないしは延ばすためのコストは、医療技術の進歩とともに上がり続けている。だから、ついつい 「人の命には、それだけのコストをかける価値があるのだろうか」 と考えてしまう。 しかし、私たちに、そのひとりの命の価値を決める権利はない。少なくとも、現代に生きる私たちは、自分たちにそういう権利がないという理念を掲げてきたはずだ。その理想の旗を誇り、掲げ続けられるかどうかが、いま、試されている。 『犬が来る病院』の大部分は、四人の子どもたちの物語だ。その四人というのは、ちぃちゃん、悦子さん、信ちゃん、そして翔太くんの四人である。 ちぃちゃんは白血病で、信ちゃんはダウン症と白血病で、それぞれ聖路加国際病院の小児病棟に入院し
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