私は、新共通テストで記述式試験を課すことには、現時点では反対だが、すでに各大学ごとに新共通テストをどう選抜に利用するかが公表されるなど、実施に向けて大きく舵が切られてしまっている。そういう状況の中では、さしあたってあまりにおかしな問題や採点が行われることに警鐘を鳴らすためにも、実際に試行調査で出題されている問題を検討するべきだと考える。既に平成29年11月の試行調査の結果報告が出ている。 そこで、平成29年11月に行われた大学入学共通テストの試行調査で出題された記述式問題のうち、数学(I・A)で扱われた問題について下記記事で、問題の内容や採点基準に懸念があることを述べた。 選択式の問題に比べて記述式の問題の方がより理解度や思考力・表現力を正確に測定できるとする意見は根強くあり、共通テストとして記述式試験を課すことに肯定的な意見も広く存在することは確かである。しかし、上の数学に関する記事の中