花見…。 なんと卑猥な行為だろう。 花とはつまり、人間にとっての生殖器である。 桜は春になると、その生殖器である花を枝いっぱいに広げ、年に一度の大乱交を始める。 桜の名所ともなれば、我々の視界は無数の生殖器で覆い尽くされることになる。 花見とはすなわち、それを大勢で楽しもうとする行為なのである。 男女入り乱れ、酒を飲み交わし、何食わぬ顔で他愛もない話をしながら…。 中にはそれを、写真に収めようとするものまでいる。 ピンクのお花がいっぱいで綺麗だね、などと、まだ幼い子供に話しかける親まで…。 そんな現実をよそに、今日も朝からテレビの情報番組は今が見頃だと煽り、全国の桜の名所は花見客で埋め尽くされるのである。