俗に、選挙戦は地盤・看板・カバンの「三バン」が肝要とされる。それらに縁遠いミニ政党や泡沫候補は、ひたすらアイデアを巡らせ、間隙を縫って戦うわけだが、今回の参院選には身も蓋もない手を繰り出す団体が登場した。その名も「支持政党なし」。何と、議席獲得まで現実味を帯びているのだ。 *** 6月22日の公示後、東京選挙区の候補者掲示板には、 〈支持政党なし〉 と書かれたポスターが4枚並んで貼られている。候補者名は書かれておらず、代わりに目立つのは「政策一切なし」との文言。全国紙政治部記者によれば、 「政党である『支持政党なし』は、東京以外にも北海道、神奈川、大阪、熊本の各選挙区で候補者を立て、さらに比例代表でも2人を擁立しています」 比例区の候補である同党の佐野秀光代表(45)は、東京・大田区で「情報通信ネットワーク」社を経営する実業家。2009年には衆院選で「新党本質」代表を名乗って立