ことし2月、成田空港に降り立ったウクライナ国立オデーサ歌劇場のオーケストラの楽団員たち。 ロシアによる軍事侵攻の影響で空港が使えず、ウクライナからバスに乗って隣国ルーマニアに出国。途中で乗る予定だったフライトがキャンセルになるなど、トラブルにも見舞われながら、飛行機を乗り継ぎ、なんとか日本に到着しました。 総勢およそ60人の来日を実現させたのは、日本人指揮者の吉田裕史さんです。 2021年からオデーサ歌劇場の首席客演指揮者を務めている吉田さん。ウクライナで目にしたのは、戦禍の中で公演を聴きに訪れる大勢の市民や軍人たち。そして、彼らを勇気づけようと、音楽を届ける歌劇場の人たちの覚悟でした。 楽器を手放さず、演奏を続ける彼らの“魂の音楽”を日本の人たちにも届けたい。 そんな思いで、来日のための資金集めから公演のプログラム、会場の選定など、すべて自分たちで行ってきたと言います。
