大津市の中学2年男子生徒の自殺問題を受けた文部科学省のいじめ緊急調査で、ことし4月から9月までに全国の小中高校などが把握したいじめの件数が約7万5千件、昨年度1年間(7万231件)を半年で上回った。日本のいじめの特徴を考察しながら、深刻化するいじめ問題への取り組みを探る。 いじめは、どのような国や地域でも起こりうるが、その表れ方には、共通点がある一方で、いじめの種類やいじめを見たときの反応、またいじめられたときの受け止め方などに、相違点が見られる。相違点を知ることで、日本のいじめの特徴も見えてくる。 いじめの国際的な「共通点」 いじめの種類のうち、国際的に共通して一番多いのは、悪口やからかいである。おそらく、いじめとしては比較的軽微で実行しやすく、いじめの初期から生じやすいからだろう(図1)。 一方で、暴力が横行する社会や、実力主義なほど、肉体的な暴力によるいじめが幅を利かせる傾向がある。