あらゆる英文はたった26文字のアルファベットからできているように、言語というものは小さく分けていくと少数の「パターン」の組み合わせになっていく……というのが「常識」でした。しかしイスラエルの少数民族に伝わる「アル・サイード・ベドウィン手話」は一つとして同じパターンが現れない不思議な言語なのだそうです。 イスラエル南部のネゲヴ砂漠に住むある少数民族では、遺伝的にほとんどの構成員が聴覚障害をもって生まれてきます。このため独自の「アル・サイード・ベドウィン手話」が非常に発達しており、耳が聞こえる者も聞こえないものも手話でやり取りができるそうです。 「アル・サイード・ベドウィン手話」は単語同士で同じパターンが現れないのが特徴です。 普通の言語であれば、まったく違う単語間で同じ文字や発音が現れるのはごく当たり前のことです。「あなた」「あり」「あめ」などにはすべて「あ」が現れます。漢字にしても、部首の