現在、全国にて順次上映中の『ようこそ映画音響の世界へ』は、映画における音響の歴史と発展、その重要性について説く優れたドキュメンタリーだ。 映画音響とひと口にいっても、それを構成する要素はさまざま。物語の導き手となるセリフ、作品を迫力あるものにする効果音、そして感情を高めていく音楽など。本作はそれらに関わるスペシャリストに加え、伝説のサウンドデザイナーたちや著名な監督らにインタビューを敢行。新旧のあらゆる名作のクリップを具体例として引用し、音が果たす役割とエモーショナルな力を、実際の制作と発見のプロセスを通して明らかにしていく。 この良質なガイド映画を手がけたミッジ・コスティン監督に、このたびメールインタビューをする機会に恵まれた。先行する他媒体の記事との差別化を図るため、かなり細かい質問に終始し、テキストが長文となったことをお許し願いたい。同時に、このような面倒な質問にも根気よくつきあい、
『ようこそ映画音響の世界へ』あらすじ 音楽、声、効果音など、映画を彩る 様々な“音”はどのように作られ、どういった効果を生んでいるのか。映画に命を吹き込む映画音響の世界とその歴史を紐解く、興奮と感動に満ちたドキュメンタリーが誕生! Index スピルバーグからノーランまで、名だたる名匠が登場 「音響が持つ物語性」を定義する冒頭4分 試行錯誤の連続だった『スター・ウォーズ』の音作り 音による“空間演出”の重要性 スピルバーグからノーランまで、名だたる名匠が登場 音響――音の“響き”を作り出す者たち。耳から、心までを震わせるエキスパート。 彼らの仕事、そして創造性に迫ったドキュメンタリーが、日本公開を迎えた。 『ようこそ映画音響の世界へ』は、音楽にとどまらず、映画における全ての“音”がどうやって生み出され、そこにはどんな想いが潜んでいるのかを解き明かす作品だ。音響技術者にフォーカスしたという点
世界中で注目されている、様々な音が入っている音源から特定の音を抜き出す技術「音源分離技術」。あまり知られていませんが、音源分離技術を評価する「Signal Separation Evaluation Campaign(SiSEC)」という国際コンペティションで、ソニーグループは2015年から音楽部門で3期連続ベストスコアを獲得しました。 この音源分離技術とはどんな技術なのか、そして音楽制作の世界にどのような革新をもたらすのか。ソニー株式会社のR&Dセンターでオーディオ技術開発を行っているお二人にお話を伺いました。 二種類のジュースを混ぜて、そこから片方だけを取り出す作業 「音源分離技術」とは、どのような技術なのでしょうか? 高橋直也さん(以下:高橋):例えば、音声に聴きたくないノイズが入っている場合に取り除いたり、音楽からピアノのパートだけを抜き出したりすることができる技術です。 光藤祐基
スーパーに行くといつもなにかしらBGMが流れている。 呼び込みくんのポポーポポポポ♪だったり、スーパーオリジナルソングだったりもするが、ほとんどは…… ではないでしょうか? たぶん1週間に数時間はこういったBGMを聴いてると思うんですけど、疑問が1つ……。 こういうBGMってさ…… このあまり印象に残らない薄味なBGM。よく考えてみると全国どこのスーパーでも流れているワケだし、最新のヒット曲もいつの間にかインストになってるじゃないですか? 『気付こうとしないと、気付かない、この”気にならないBGM”』の存在とその意義が気になってたまらなくなってしまいました。 ということで店内のBGMといえば有線。 ここに聞けばすべての謎が解決すると思い、さっそく運営企業の『USEN-NEXT GROUP』、音楽配信最大手のUSEN様に取材を申し込みました。 ▲取材はZOOMを使用しリモートにて行いました
昨年秋にアトラスから発売されたPS4™タイトル「十三機兵防衛圏」。 9/2(水)〜9/4(金)に開催されるCEDEC2020では「十三機兵防衛圏」のサウンドに関するセッションが行われます。 セッション目前ということで、CEDECで話す内容の一部を紹介するほか、「十三機兵防衛圏」だけでない、アトラス×ヴァニラウェア関連タイトルも含めたサウンド制作について、講演者である崎元さん、金子さんのお二人に話を伺いました。 崎元 仁 様(以下、崎元)・・・有限会社ベイシスケイプ代表取締役社長。「十三機兵防衛圏」ではサウンドディレクションやゲーム内楽曲の作編曲を担当。 金子 昌晃 様(以下、金子)・・・有限会社ベイシスケイプサウンドデザイナー。「十三機兵防衛圏」では効果音作成や音の実装周りを担当。 ーまず、開発体制についてお伺いできればと思います。アトラス、ヴァニラウェア、ベイシスケイプの座組でのタイトル
フェスも、ライブも、パーティーも海水浴場も、ほぼ全て中止。新型コロナウイルス感染拡大の影響で集まって楽しむイベントが激減した2020年の夏。誰も予想していなかったパンデミックの拡大で、ダンスミュージックのシーンはどう変わったか? オンラインフェスやDJ配信、バーチャルライブなどデジタルな取り組みが広がるなかで音楽の聴かれ方はどう変わりつつあるのか? そんなことをテーマに、DJ / キュレーターのTJO、ラジオDJでタレントのサッシャ、Spotify JapanのHead of Content芦澤紀子にリモートで語り合ってもらった。 「ステイホーム」と言われ人々の外出が減ったここ数か月。リスナー側ではチルやリラックスできる音楽への欲求が高まり、一方、アーティスト側は自分のルーツやパーソナルな音楽性を追求するようになってきているという。そして、あくまで「結果的に」ということにはなるが、そんな潮
ブライアン・イーノ(Brian Eno)は、天文学と芸術の祭典<Starmus>と英VFX制作会社DNEGと協力して、星たちが歌う宇宙オーケストラを作り上げています。 2005年、天体物理学者のガリク・イスラエリアンは、星の内部で生み出された音波のライブラリをまとめ、2016年にそのライブラリの中から選択してイーノに渡し、イーノは新曲を制作しています。イーノは聴こえない低音を聴こえるようにスピードを上げることはしましたが、それ以外は個々の音を変えずに使用しています。 その後、イスラエリアン博士は、オスカー受賞のビジュアルエフェクトスタジオDNEGのポール・フランクリンとオリバー・ジェームズに映像の作成を依頼。 そして、星たちが歌う宇宙オーケストラのビデオ「Starsounds」が完成。<Starmus>のYouTubeチャンネルで公開されています
私たちの日常は通常、車の走行音、飛行機が飛ぶ音、電子的なアナウンスなどにあふれていますが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でロックダウンが行われた都市は、他に類を見ないほど静まりかえっています。この数十年で最初で最後かもしれない貴重な「静まりかえった都市の環境音」が世界中の録音家によって収集され、公開されています。人の気配がない町に時折響く鐘の音、人工的なアナウンス、鳥の鳴き声などは、終末後の世界を想像させるとともに、どこか心落ち着くものとなっています。 Hear the Soundscapes of Cities Transformed - Atlas Obscura https://www.atlasobscura.com/articles/changing-sound-of-cities 映画・テレビ・ゲーム・アプリ・ラジオのために世界中で「音」を採取・録音している
こだわり続ければ海を越える!「同人音楽の鬼才」bermei.inazawaの仕事術とルーツに迫る(インタビュー前編) アニメ インタビュー 劇伴音楽 コミックマーケット、M3などの同人即売会で自主リリースした作品のクオリティーが反響を呼び、「同人音楽界の鬼才」として世間に発見されたbermei.inazawa(ベルメイ・イナザワ)さん。今では同人の枠を超えて「ぼくのりりっくのぼうよみ」や「やなぎなぎ」などのアーティストへの楽曲提供や、TVアニメ『ひぐらしのなく頃に 解』『ヨルムンガンド』『世界征服〜謀略のズヴィズダー〜』などのテーマ曲の作編曲、そして最近では中国発のノベルゲーム『Christmas Tina ‐泡沫冬景‐』の劇伴なども手掛けています。 Annabel + lasah「送葬と再生」(bermeiさんが作編曲を担当) 「世界はイナザワを知らなすぎる」……2011年にビクターより
グラミー賞ノミネート経験もある第一線のジャズミュージシャンであり、日本のポップカルチャーの熱いファンでもあるパトリック・バートレイJr.はJ-POPの音楽的な特徴を誰よりも鋭く、かつ愛情を持って分析できるミュージシャンの一人だ。 数々の大物ミュージシャンとステージを共にする一方、自らが主宰するプロジェクト「J-MUSIC Ensemble」では多くのJ-POPやアニソン、ゲーム・ミュージックの楽曲を自らアレンジし演奏している彼。 幼い頃からの音楽の英才教育、そしてジャズミュージシャンとしての素養をもとに、J-POPやアニソンの成り立ちをさまざまな角度から分析してきた。 そこでKAI-YOUでは来日したパトリックのロングインタビューを実施。彼自身の生い立ちとアニメ愛をじっくり語ってもらった。 こちらでは、日本の音楽の持つユニークな特徴をパトリックに解き明かしてもらう。 淡谷のり子や坂本九から
HOME ブログ 3Dツール 無料&商用可能!!”足音”素材が40種類以上バンドルされた「40+ Free Footstep Foley Sound Effects」!! 無料&商用可能!!”足音”素材が40種類以上バンドルされた「40+ Free Footstep Foley Sound Effects」!! 2020.03.12
ダンスミュージックの文化的ナラティブは長らく西欧と北米が支配してきたが、この状況は変わりつつあるのだろうか? 過去10年の最新サウンドがいかにして西欧と北米以外の場所から生まれてきたのか、Steph Leeが振り返る。
Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 空中超音波フェイズドアレイデバイス(Airborne Ultrasound Phased Array、AUPA)からの集束放射を発泡スチロール表面に当てることで多様な触覚を生成するデバイスを開発した。 これは、発泡スチロールの表面に超音波を当てると、スクイーズ膜効果(振動面に指を近づけると、空気の膜が指と振動面の間に生じ、それにより摩擦力が減少する現象)による表面摩擦の低減によるもの。この現象は、発泡スチロールの音響インピーダンスが、空気の音響インピーダンスに近いという事実によると考えられる。 本提案では、触覚フィードバックの生成と同時に、発泡スチロール表面にプロジェクターで画像を投影する
作曲家・三枝成彰氏が語る,「逆襲のシャア」「動乱」を作曲していた80年代当時の記憶 ライター:馬波レイ カメラマン:増田雄介 2020年2月12日,Bunkamuraオーチャードホールにて,東京交響楽団によるオーケストラコンサート「サエグサシゲアキ1980s」が開催される。タイトルからも分かるとおり,これは作曲家・三枝成彰氏が1980年代に手掛けた楽曲にフォーカスした公演だ。 「スーパーロボット大戦」シリーズをはじめ,今なおさまざまな形でゲーム化され続け,根強い人気を持つ「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」(1988年)から14曲,そして後の「機動戦士Zガンダム」のBGMへとつながるフレーズが散りばめられた映画「動乱」(1980年)の劇判を三楽章にまとめた「交響曲『動乱』」が,生演奏で聴ける貴重な機会となっている。 この公演にあたって4Gamerでは,作曲者である三枝氏にインタビューを行った
ノストラダムスやY2K問題などが世間を賑わせた西暦1999年、スーパーファミコンからプレイステーションにメインプラットフォームを移したゲームソフトメーカーのスクウェア社は、円熟の時代を迎えていた。 この年、スクウェア社は同社の人気作品である、「ファイナルファンタジー」シリーズ、「サガ」シリーズ、「聖剣伝説」シリーズ、「クロノ」シリーズ、「フロントミッション」シリーズ、「パラサイト・イヴ」シリーズの最新作などを一気にリリースし、1年間で合計500万本を超えるソフトの販売本数を記録している。 ハリウッド映画版「ファイナルファンタジー」の制作もこの頃進行しており、ゲームソフトメーカーという枠を超え、最新のデジタルメディアコンテンツを生み出す企業として名を馳せていた時代だ。 そんな華やかな時代のスクウェア社が、約30人という当時の規模としては小さなチームで開発をし、今から丁度20年前の1999年1
11月発売予定の同作サントラにはMajor Lazer、Khalid、Au/Ra、Alan Walkerなど日本でも人気のアーティストが多数参加している。
BGMのクオリティは映像のクオリティを左右するといっても過言ではありません。どんなに良い映像が撮れていても、BGM次第で印象が大きく変わってしまうのは言うまでもないでしょう。 フリーの音楽素材サイトは数多くありますが、本記事では弊社エレファントストーンもお仕事で使っている「PremiumBeat」をご紹介します。 著作権フリーの「PremiumBeat」がおすすめ 「PremiumBeat」は米ニューヨークに本社を置く、Shutterstock Companyが提供する著作権フリー音楽素材ライブラリです。 大手プロダクションレベルの洗練された楽曲が揃い、すべての限定コンテンツで著作権をクリアしています ——PremiumBeat PremiumBeatで公開されている音楽素材はすべて限定のコンテンツ。一度支払いをすれば、その音楽は永久に使用可能です。もちろん、YouTubeやVimeoでの
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く