今回は鼻毛延高と千久羅坊の狂歌のパートです。 ※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。 金草鞋. 1編 - 国立国会図書館デジタルコレクション 【原文】 案内の男、 「何とお国へのお土産に一幕どうで御座りヤす」 と言へば、鼻毛延高《はなげののびたか》聞ゝて、 狂 国さあへ 土産にしろと 言ひ召すが この芝居さあ 何《あに》持たれべい 【現代語訳】 案内人の男が、 「どうぞ、お国へのお土産に一幕見て行きませんか? と言うのを、鼻毛延高《はなげののびたか》は聞いて、狂歌を一首詠みました。 狂歌「国へのお土産にしろとおっしゃいますが、この芝居を見ても何も持たせてくれませんよね?」 【解説】 案内人は「土産話にしては」と言ったのに、無粋な延高は土産と言えば「土産物」しか思い浮かばないというわけです。 【原文】 芝居の門《かど》に居る者共、千久羅坊《ちく