医療費が年間約40兆円に膨らむなか、厚生労働省は来年度から薬や医療機器の価格が効果に見合っているのかを考える「費用対効果」の分析を踏まえた値段の見直し作業を始める。 高齢者「中止考慮すべき薬」50種 限られた財源で多くの人に有効な治療を医療保険で受けてもらうための方法だが、慎重な運用も求められる。 「天国と地獄です」。会社員の佐久間泰博さん(50)は、今年保険適用になった新薬と、かつて使った治療薬の違いをこう表現する。 30歳の時、C型慢性肝炎と診断された。標準的に使われるインターフェロンという薬の注射を始めると、副作用で連日、39度を超す高熱に悩まされた。別の副作用のうつ症状も表れ、半年間、仕事を休んだ。だが、C型肝炎ウイルスは消えなかった。 転機が訪れたのは2年前。米国で飲み薬の新薬が開発され、日本で始まった治験に参加した。目立った副作用はなく、ウイルスも消えた。「会社にも家族に