北朝鮮による拉致被害者蓮池薫さん(60)=新潟県柏崎市=は12日、新潟市で開かれた内外情勢調査会の講演で、「政府認定の被害者と特定失踪者全員の帰国を求めても動かない。政府が持つ生存情報を北朝鮮に示し、一定の解決ラインを出す時期に来ている」と訴えた。 日本政府が認定した未帰国の拉致被害者12人について、北朝鮮は8人死亡、4人未入国としている。政府は拉致の可能性が排除できない特定失踪者800人超を加え、全員帰国を求めている。 蓮池さんは、政府は確度の高い拉致被害者の消息情報を持っているとした上で、「特定失踪者の中に拉致された根拠がある方もいる。線引きは難しいが、解決に向け政治的決断を」と注文。残る特定失踪者について、国交正常化後に北朝鮮に調査への協力を要請する段階的な方法もあるとした。 また、「拉致問題が解決されない限り北朝鮮に経済支援はしない原則を堅持すべきだ」と強調。米朝首脳会談を受け、「