中国甘粛省蘭州の衛生当局は15日、昨年夏、蘭州の製薬工場で動物用ブルセラ症ワクチンの生産工程でずさんな管理により菌が漏洩(ろうえい)する事故があったと発表した。今月までに関係者計約2万1千人の検査を進め、約3千人が感染したと確認した。全員に何らかの症状があったかは不明。 日本の国立感染症研究所のサイトによると、ブルセラ症は家畜に多い人獣共通の感染症。人がかかった際の主な症状は発熱や倦怠感などがある。 衛生当局の発表によると、昨年7~8月、工場で使用期限の過ぎた消毒剤を用い滅菌が不十分だったため、汚染された空気が排出。工場の近くにある研究所で11月に人から菌の抗体の陽性反応が出て、漏えいが発覚した。 当局は今年1月、工場のワクチン生産許可などを取り消した。7月から今月まで、初期検査で抗体反応が陽性だった人の再検査を実施した。健康面のケアや補償を実施するとしている。(共同)