東京都の小池百合子知事は7日の定例記者会見で、物価高対策として、住民税非課税など都内約190万の低所得世帯に、1万円分の商品券や電子ポイントを支給すると発表した。17日から受け付ける。都によると、予算規模は約227億円。 ウェブかはがきで申し込む必要があり、島嶼部や山間部は商品券などを使える店が限られることから現金を支給する。小池氏は「原材料費が上がっていることや円安で、日用品や食料品の価格が高騰している。厳しい状況は続くと思うので活用してほしい」と話した。
ロシアのオンラインメディア「シレナ」は30日、西シベリアのアルタイ共和国にあるプーチン大統領の「別荘」とされる建物で火災が発生し、ほぼ全焼したと報じた。建物が燃える様子を地元ブロガーが撮影したとする写真も公開した。出火原因は不明で、地元非常事態当局は取材にコメントを拒否したという。 シレナは、この建物が公式には露国営天然ガス企業ガスプロムの保養施設とされているものの、実際にはプーチン氏ら政権高官しか利用できないことがリベラル紙ノーバヤ・ガゼータによる過去の調査報道などで判明していたと指摘した。 シレナは31日未明、火災を伝えた記事を削除した。 火災を伝えた別のオンラインメディアは、プーチン氏が2015年にイタリアのベルルスコーニ元首相(昨年6月死去)を招待したのもこの施設だったと指摘した。
対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を開発した米オープンAIは30日、ロシアや中国などを拠点とする5つの組織が世論を操作する目的でAIを利用していることを特定したと明らかにした。オープンAIが同日、自社製品を利用した脅威についての報告書を発表した。 身元を隠した組織が、文章やソーシャルメディアのアカウント作成のほか、プログラミングなどにも生成AIを利用していた。イランやイスラエルの組織も含まれ、ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザでの戦闘、米国の政治などに焦点を当てていた。 このうち中国拠点の組織は東京電力福島第1原発の処理水放出を非難する内容の文章などを作成しており、日本語でも投稿していた。生成された文章は交流サイト(SNS)上に投稿されたが、多く閲覧された形跡はないとしている。プロパガンダのための画像の生成指示をAIツールが拒否した事例もあった。(共同)
ロシア軍による攻撃で破壊された建物前で、住民の女性を取材する遠藤良介記者(右)=2022年4月20日、ウクライナ・イルピン(桐原正道撮影) 国際報道を通じて国際理解に貢献した記者に贈られる「ボーン・上田記念国際記者賞」の2023年度の受賞者が6日、産経新聞編集局外信部次長兼論説委員の遠藤良介記者(50)と読売新聞欧州総局長の尾関航也記者(51)の2人に決まった。 遠藤記者は「一連のウクライナ・ロシア報道」での受賞。選考委員会は「ウクライナの現地ルポや関係国の高官インタビューを柱にした報道が『秀逸』などと高く評価された」としている。 ロシアによる22年2月のウクライナ全面侵攻後、遠藤記者は今年2月まで5回にわたりウクライナで現地取材。前線を含む各地を訪れて「ウクライナと共に」を連載し、ウクライナ国民の闘いを伝えた。 22年3月にはクナーゼ元露外務次官への電話取材で痛烈なプーチン大統領批判を、
甲府市で令和3年10月に同じ高校に通っていた女性の50代の両親を殺害したうえ放火し、殺人や現住建造物等放火などの罪に問われた遠藤裕喜被告(21)の裁判員裁判の判決が18日、甲府地裁であり、三上潤裁判長は「更生の可能性は低いと言わざるを得ない」として、求刑通り死刑を言い渡した。被告は事件当時19歳の特定少年。4年4月の改正少年法施行以降、特定少年として起訴された被告に死刑判決がでたのは全国で初。 犯行は3年10月12日午前3時半ごろ、被害者宅に侵入し、1階の寝室で寝ていた両親になたで襲い掛かり、頭などに繰り返したたきつけ、ナイフで胸などを複数にわたって刺すなどし、死亡させた。さらに、女性の妹の頭をなたで殴り、大けがを負わせたほか、ライターオイル約1リットルを台所や倒れていた両親の周囲にまいて火をつけ、住宅を全焼させた。女性と妹は2階から飛び降り、逃げ出せた。 裁判は昨年10月から甲府地裁で2
令和5年の大学入学共通テスト=東京都文京区の東京大学13日と14日に実施が予定されている大学入学共通テスト。問題作成は大学入試センター(東京都目黒区)の一角、限られた人しか立ち入りを許されない扉の奥で行われている。携わるのは全国から集められた大学教員ら専門家たち。正確さや公平さに神経をとがらせる一方で、人気キャラクターを題材に使うなど出題には工夫をこらす。47万人の受験生が向き合うテストができ上がるまでの2年間に迫る。 問題作成はセンター内の特定の建物内でのみ行われている。入り口には職員から「鉄扉(てっぴ)」と呼ばれている重厚な扉。その奥は問題作成に関わる人でなければセンターの職員でも立ち入ることは許されない隔絶された空間だ。パソコンやスマートフォンは手前のロッカーに預ける仕組みで、作業用のパソコンも外部のネットワークに接続できないように設定されているという。 漏洩(ろうえい)に対するリス
ロシアの無人機やミサイルなどの兵器に一部日本企業の部品が使われていたとされる問題で、製造元の企業が対応に苦慮している。ウクライナ政府のホームページ(HP)によると、日本の部品で見つかったのは集積回路(IC)やエンジン、カメラなど136個。イラン製無人機「シャへド」やミサイルなどの兵器で使用されたという。 代理店経由追い切れず最も多かったのは村田製作所の19個。具体的な品目はIC、コンバーター、増幅器、ノイズフィルター、パワーフィルターなどだ。同社は、「どういう経路でロシアに届いているかはわからない」と説明。兵器に使用される恐れがある電子部品は輸出管理規制にのっとって販売しているものの、「特定の企業に直接販売する場合は使途や必要数がある程度分かるが、代理店経由で販売されると追い切れないことがある」とした。 模造品もあり詳細不明また、パナソニックブランドの製品もリチウムイオン電池、信号リレーな
ミドリムシの健康食品を手掛けるバイオベンチャーのユーグレナは27日、「二重まぶたの可能性が高い遺伝子タイプが多い都道府県ランキング」を発表した。約5万7000人分の出生地別の遺伝子解析データを数値化したところ、奈良県が52・81%で該当遺伝子タイプが最も多かった。また、近畿地方の2府5県すべてが14位以内に入っており、近畿は遺伝的に二重まぶたの人が多い傾向があるとした。ただ、現時点で近畿に集まっている理由は分からないという。 これまでの通説とは逆の結果上位5位は、奈良県に次いで2位鳥取県▽3位三重県▽4位滋賀県▽5位福井県となった。一方、下位5位は、43位富山県▽44位愛媛県▽45位高知県▽46位鹿児島県▽47位沖縄県だった。 担当者は「二重まぶたは、日本人の起源である在来の縄文系と渡来の弥生系と関係していると言われ、縄文系の方が二重まぶたが多く、沖縄には縄文系が多いという説があった」と指
女子の大学進学率はこの10年で10ポイント近く伸び、令和4年度に53%となった。それでも、男子の59%を大きく下回っており、性別によって教育機会が左右されている現実が見えてくる。進学率は大都市圏とそれ以外の地域との隔たりも著しい。性別と出身地。地方在住の女子生徒は2重の格差に直面している。 乏しい保護者の期待女性の活躍を促す近年の思潮もあずかり、女子の大学進学率は平成19年度に40%を超え、30年度に50%に達した。急速に環境が改善されているのは事実だが、全国から学生を集める難関大の状況をみると楽観もできない。 東京大では、この春に実施した入試の合格者に占める女子比率が過去最高となった。それでも22%にとどまる。京都大や早稲田大などでも男女格差が顕著に表れている。 性別に伴う学力差がないことは多くの調査データが示している。ジェンダーと教育を研究する宮崎公立大准教授の寺町晋哉は「『4年制大学
性同一性障害特例法の「生殖不能要件」を憲法違反と判断した最高裁の在り方に強い違和感を訴えるジャーナリストの櫻井よしこ氏(右)=9日午前、参院議員会館(奥原慎平撮影) ジャーナリストの櫻井よしこ氏は9日、自民党有志議員でつくる「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」(略称・女性を守る議連)が国会内で開いた会合に出席し、最高裁が戸籍上の性別を変更する上で生殖機能の喪失を要件にした性同一性障害特例法の規定を憲法違反と判断したことについて、強い怒りをにじませた。「国民の動向を知ることなく一方的に下された判断で、日本の在り方を根本から変えてしまう」と述べ、最高裁裁判官の選任見直しの必要性に言及した。発言要旨は以下の通り ◇ 今回の最高裁の判断を見て、これほど国民の動向を知ることなく、理解することなく、一方的に下された判断で、わが国の人間の在り方、暮らし方、さらには家族の在り方
空港保安検査で回収が急増しているヘアアイロン。リチウムイオン電池を内蔵しているため持ち込みが制限される=関西国際空港第2ターミナル (藤谷茂樹撮影) 国内外の旅行需要回復とともに、空港で搭乗前に受ける保安検査で所持品を「没収」される事例が急増している。関西国際空港の第2ターミナル(T2)では、ライターが最も多く1日平均240個超。航空機内への持ち込み制限は安全を確保するためのルールだが、一部の女性にとっては必需品でもあるヘアアイロンも増えており、対応に苦慮している。 1日平均163個保安検査の実施主体は日本では航空会社で、T2では「ピーチ・アビエーション」が警備会社に委託している。ピーチ関西空港所長の牛鼻(ごはな)章さんは「ここ3日の検査で回収され、500個以上はあるだろう」と、見せてくれたライターは山のような量。縦48センチ、横36センチ、高さ7センチのかごにいっぱいだ。 空港保安検査で
ロシアによるウクライナ侵略で、米NBCニュースは4日、複数の米当局者らの話として、ウクライナを支援する欧米諸国がウクライナ側と停戦について「ひそかに」協議を始めたと伝えた。ウクライナ軍の反攻が進まず戦局が膠着(こうちゃく)していることや、ウクライナ軍の疲弊、イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスとの交戦などを背景に、欧米側のウクライナ支援の余力が低下していることが背景だとしている。 NBCによると、停戦に関する欧米とウクライナの協議は、50カ国以上が参加した10月のウクライナ支援国の会合の中で行われた。ウクライナがロシアに一定の譲歩をする見返りに、北大西洋条約機構(NATO)がウクライナの安全を保証し、ロシアの再侵略を防ぐ案が浮上しているという。 ウクライナのゼレンスキー大統領は従来、停戦はロシアによる占領地支配の既成事実化と将来的な再侵略を招くとしてプーチン露政権との交渉を否定。ただ、ウ
イタリア料理のファミリーレストランを全国で展開する「サイゼリヤ」(埼玉)の店舗で料理の中にカエルが混入する事案が3件あったことが2日、同社などへの取材で分かった。同社は自社工場で製造したサラダに混入した可能性が高いとみて、保健所の調査を受けて検品を強化している。 産経新聞の取材に応じた客の女性によると、10月21日に家族3人で東京都杉並区の「サイゼリヤ阿佐ヶ谷駅南口パール商店街店」を訪れた。注文した「小エビのサラダ」と「モッツァレラのサラダ」を食べていたところ、体長3センチほどで右後ろ脚が欠損したカエル1匹が皿の中から飛び出し、テーブルの上で動き回ったという。 サイゼリヤ側は取材に対し、カエル混入は他店舗を含め同時期に3件確認されたと説明。全国約740店舗向けに神奈川工場で製造されたカット野菜のレタスに混入した可能性が高いという。同25日からは「(レタスの)葉は1枚ずつ剥がして裏表を確実に
戦時中の朝鮮半島出身労働者の収入状況などを示す1次史料を歴史認識問題研究会(会長・西岡力麗澤大特任教授)の長谷亮介研究員が見つけ出し、分析結果を論文にまとめた。史料によると、労働者の収入は「高額」(長谷氏)で、炭鉱が「奴隷労働の現場」だったとの主張や観念を崩す実態を示している。 史料は、かつて北海道北部にあった日曹天塩炭鉱で働いた朝鮮人労働者の「稼働成績並賃金収支明細表」。長谷氏が昨年、北海道博物館(札幌市)の収蔵資料から見つけた。労働者を送り出した当時の朝鮮半島の面(村に相当)の面長に向けて、労働者ごとの収支金額や送金額、天引き貯金の状況を伝える書類で、昭和19(1944)年5月から20年6月分の冊子に総数159人分の記録があった。 史料で確認できた労働者86人のうち、19年10月から20年6月まで働いた54人を分析したところ、9カ月間の平均収入総額は896円で、同期間の支出総額が判明し
ジャニーズ事務所の性加害問題を巡り、国連人権理事会の作業部会が会見し、「同社のタレント数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという、深く憂慮すべき疑惑が明らかになった」と述べた。 国際社会に向けて発信された国辱的な「事件」である。これ以上、この問題を放置してはならない。 まず深く反省すべきは産経新聞をはじめとするメディアである。作業部会は「日本のメディア企業が数十年にわたり、ハラスメントのもみ消しに加担したと伝えられる」と指摘した。 ジャニー喜多川氏の性加害行為を認定した平成15年の東京高裁判決や複数回にわたる週刊誌報道を多くのメディアが座視してきたのは事実である。 英BBC放送による報道や国連作業部会による外圧で、ようやく動き出した現状には大いに恥じ入るべきだろう。この機に変わらなくてはならない。 それは、当のジャニーズ事務所や芸能界、政府にとっても同様である。 ジャニーズ事務所は「再発防
東京・秋葉原と茨城県つくば市を結ぶ「つくばエクスプレス」(TX)の延伸を検討していた茨城県は23日、四つあった案のうち土浦への延伸で一本化すると決めた。JR常磐線土浦駅と接続させる。大井川和彦知事が記者会見で明らかにした。 つくば駅から先の延伸が検討されており、ほかに筑波山、水戸、茨城空港の3方面が案として挙がっていた。県の第三者委員会が今年3月、需要や採算性から、土浦案が最善と提言。県はパブリックコメント(意見公募)を行い検討していた。
全国各地でアマチュア歌手が歌声を競うNHKの長寿番組「NHKのど自慢」が、4月2日の放送回から改編され、バンドの生演奏だった出演者の伴奏がカラオケに切り替えられる。NHKは「誰でも、どんな曲でも、気軽に挑戦できるようにした」と理由を説明するが、生伴奏を根強く支持するファンも多く、バンドによる演奏を惜しむ声が聴かれた。 改編では番組ロゴや舞台セットを一新し、冒頭のテーマソングはバイオリニスト、葉加瀬太郎さんの演奏にリニューアルされる。司会は、小田切千アナウンサーに代わり、二宮直輝、廣瀬智美の両アナウンサーが交代で務める。伴奏はこれまで、地域ごとでミュージシャンがバンドを編成していたが、カラオケに統一される。名物である合格・不合格を伝える「鐘」は、鐘奏者の秋山気清さんが番組を卒業、各地の地元オーケストラの打楽器奏者が行う。NHKは「訪れた地域のみなさんとお近づきになるために生まれ変わります」と
エスカレーターの左側を歩く女性。関西では左側を空ける風習が定着している終電間際の大阪難波駅。改札口に向かうエスカレーターで背後から「早く行けよ。何やってるんだ」と中年男性に罵声を浴びせられた。みながエスカレーターで右側に乗る片側空けをするなか、ひとりだけ左側に立っていたのが迷惑だったらしい。 3年前に脳出血で倒れ、右半身にまひが残る身体障害者になった。右手がやや不自由で、左手で手すりを持つ。つえを持っていたが、分かっていただけなかったようだ。 「急ぎたい気持ちはわかるが、事情がある人もいるということは分かってほしい」というのが正直な思いだ。電車内でつえをついていると、席を譲っていただくことも多く、配慮をありがたく感じているが、こうしたこともたまに起きる。 駅などでは、気ぜわしくなるラッシュ時や終電間際は焦る人も多い。トラブルに巻き込まれたくはないので、こうした時間帯は避けるようにしたいが、
信号機を撤去したら頻発していた人身事故がゼロに-。堺市中区のある交差点で昨年3月、信号機を撤去したところ、頻発していた事故が激減した。本来、信号機は交通を整理し、安全性を向上させるために設置する。撤去することで安全性が向上するのは不可解にも思えるが、「事故を減らすのに、信号機の設置がベストとはかぎらない」(警察幹部)という。撤去で事故が減ったのはなぜなのか、背景を探った。 1カ月に2度事故が起きることも1月下旬の昼下がり、堺市中区深井北町の住宅街。一方通行の市道が交わる交差点をスピードに乗ったトラックや乗用車が一定の間隔で通過していく。徒歩で下校する中学生グループの姿もみられたが、車は設置された「止まれ」の標識に従い、人も車もスムーズに行き交っていた。 一見すると何の変哲もないこの交差点は1年ほど前まで、地元で悪名高い事故多発地点だった。 「ガシャーンという音が聞こえるたびに『またか』と感
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