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  • 女形の哀しみ:歌舞伎の女形の「宿命論」

    (戻る) 女形の哀しみ 〜歌舞伎の女形の「宿命論」 1)女形の哀しみ 寛政五年(1793)のこと、五代目団十郎を贔屓にする山東京山が兄の京伝とともに河原崎座に出演中の団十郎の楽屋を訪ねました。京山によれば、岩藤の扮装中だった団十郎は涙をボロボロと流しながらこんなことを語ったと言います。 「世間の人なら倅に家業を譲って隠居をする歳なのに、卑しい役者の家に生まれたばっかりに、この歳になって女の真似をしなければならないとは何と因果な事だ。」 (「蜘の糸巻」) 京山もどう声を掛けたものか困ったことでしょう。「役者がこういう事を考え出すと芸に艶がなくなって舞台に永く立つ事ができなくなってくる」と書いています。この時、団十郎は五十三歳。 果たして京山の予感の通り、この三年後の寛政八年に団十郎は引退する事となります。 この団十郎の逸話はいろんな事を考えさせます。世間から「河原乞」などと言われのない差別

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