自分のことで済みません。半世紀以上前、私が幼稚園の頃です。当時は大阪の郊外の母の実家に家族が同居していました。京都の郊外に父の実家があり、折に触れて父方の祖母に会いに両親に連れられて電車を乗り継いで(乗換え二回)行っていました。 ところが五歳半の夏に「自分独りで行く」と言い張ったそうです。というか言い張ったのは自分でも覚えています。それまでは親の言う事を良く聞く大人しい子だったので、父母は驚くと共に困惑してそういうことは止めるように何度も説得したそうです。自分が覚えているのは、父母がとうとう折れて独りで京都に行くことを認めて呉れたので、意気揚々と独り旅を敢行。目出度し目出度し。 それから何十年も経って、親父から真相を聞いてビックリしました。私の強情に父母は表向きは独り旅を認めたものの、流石に心配で密かに二人で私の後を付けて、京都の家に着くまでフォローしていたとか。これを聞いて親の有難さに思