とある会合で「富豪的アプローチ」という話をしたら、「それは面白い、よく使われる言葉ですか」とたずねられました。その時点で私は原典に当たっていませんでした。馬鹿な話です。すみません。 原典は増井俊之氏による「富豪的プログラミング」で、初出はbit誌1997年1月号です。ああ、読まなくなった後でしたか。 大意は「けちけちして貧しいプログラムを作るな、リソースを気にしなければもっといいユーザー・インターフェースを作れるぞ」といったところです。大意は大真面目ですが、筆者が諧謔を解する他人なためか、幾分面白風味の原稿にしあがっており、参照される場合はギャグ、あるいは自虐に用いられることが多いようです。私が耳にしたときも「悪い方法」として面白おかしく紹介されていました。 さて、会合で私が富豪的アプローチについて話したのは「最適化を本当にする必要があるの?」という文脈においてです。DSPを長くやっている