ベストセラーを生む「本のグルーポン」 5月のある日曜日、デニス・レへインの犯罪スリラー 『ゴーン、ベイビー、ゴーン』(『Gone、Baby、 Gone』、邦訳題『愛しき者はすべて去りゆく』)の電子書籍の販売数は23冊だった。このわずかな売上げ数は、1998年に初版本が出版され、今は世間から忘れられた本としては、一般的な数字である。 しかし翌日、販売部数は跳ね上がり、1万3071冊が売れた。 アマゾンが『ゴーン、ベイビー、ゴーン』をキンドル向けに24時間限定でのバーゲンセールの電子書籍に指定、6ドル99セントから1ドル99セントへと値下げし、数十万の読者に案内メールを送った。このバーゲンセールが休眠中だったこの本に火をつけたのだ。 このようなインスタントセールは今でこそ書籍出版界に定着しているが、もともとはファッションサイトのギルトドットコムが始めたコンセプトだ。 ワン・キングス・レーン(O