証拠性(しょうこせい、evidentiality[1])とは、ある発言の情報源がどのようなものかということによって語のかたちを変える文法範疇である[2]。 証拠性の標識は、意味論の観点から、直接証拠性を表す形式 (direct evidentials) と間接証拠性を表す形式 (indirect evidentials) に区分できる。直接証拠性は、話者自身が視覚・聴覚、あるいはその他の知覚を通して得た情報に対して用いられる。一方、間接証拠性は話者が推量や伝聞を通して得た情報を表す[3][4]。 コロンビアのバウペス県で話されているタリアナ語では、実際に見たこと、音を聞いてわかったこと、目に見える証拠から推量したこと、すでに知っていることから推量したこと、人から聞いたことはそれぞれ情報源が異なるので、異なる動詞のかたちで表現される[5]。 現代日本語の例を挙げれば、他者からの情報に基づく伝