私たちが人生で行うことはすべて、突き詰めれば、幸せを得るためだと言えるでしょう。でも、「幸せになろう」とがんばりすぎると、かえって心からの満足感を得られないこともあります。 過度の幸福感が良くない理由 ここで言う幸せとは、ネガティブな感情よりもポジティブな感情が上回っている状態を指します。幸せは気分が良いものですが、これも人間が必要とする多くの感情の1つにすぎません。幸せな状態が続くと、落ち込んでじっくりと物思いにふけったり、怒りのあまりやる気を引き起こすエネルギーがふつふつと湧いてきたりする経験は味わえません。学術誌『Perspectives on Psychological Science』に寄せたレポートの中で、June Gruber博士は、「幸せになる代償」について以下のように記しています: (前略)ポジティブな感情は、ほどほどのレベルであれば創造性を増進させますが、高いレベルに達