少子化のペースが加速している。厚生労働省が26日発表した人口動態統計(速報)によると、1~9月に生まれた子どもの数は67万3800人と前年同期に比べ5.6%減った。年間の出生数が5%を上回る減少となったのは直近では1989年。2019年は30年ぶりの大幅減となる可能性がある。政府は土曜日の共同保育の推進など少子化対策の拡充を急ぐが、人口減に歯止めをかけるのは簡単ではない。速報値には日本人に加え
6107395420001正社員の根幹をなす終身雇用や新卒一括採用などに疑問を投げかける経済人や経営者の発言が目立ってきた。戦後の日本経済を支えてきた正社員制度は今後も不変なのか。ニュース解説イベント「日経緊急解説Live!」を11月12日に開催し、社員を個人事業主契約に切り替えているタニタの谷田千里社長と正社員の行く末を話し合った。タニタは2017年に大胆な雇用制度を導入した。社員に1度退職してもらい、個人事業主として会社と契約を結び直す。契約切り替えは強制ではなく、本人の希望を聞く。現在社員の約1割に相当する27人が個人事業主として働いている。【関連記事】タニタ本社、1割が個人事業主 「就社」から「就職」「どうすれば社員のやる気を高められるか」。08年の社長就任時から思い悩んでいたという。優秀な社員にこそ主体的に生き生きと働いてほしい。考え抜いた末に「正社員を辞めてもらう」という逆説的
菅原氏は辞表提出後、国会内で記者会見し「私の問題で国会が停滞し、法案審議できないのは本意ではない」と述べた。「任期途中に閣僚職を辞することはざんきに堪えない。おわび申し上げる」とも語った。 菅原氏は衆院東京9区選出で当選6回。無派閥で菅義偉官房長官に近いとされ、9月の内閣改造で初入閣した。 首相は25日午前、官邸で記者団に「任命責任は私にあり国民に深くおわびする」と述べた。「産業政策、通商政策、エネルギー政策といった重要な分野で一刻の停滞も許されない」と強調した。 後任に梶山氏を起用する理由では「地方創生相として地方の産業活性化や規制改革に取り組み、成果を上げてもらった。経験を生かし、幅広い経産行政でかじ取りを担ってほしい」と語った。 菅原氏は当初、25日午前の衆院経産委員会で説明するとしていた。野党側は納得できる説明がない限り国会審議に応じない構えをみせ、辞任も求めていた。 菅原氏を巡る
財務省は、ソフトバンクグループ(SBG)が用いたM&A(合併・買収)に絡んだ節税策を防止する方針を固めた。同一グループ内の資本取引で実態に変化がないにもかかわらず巨額の赤字を意図的につくり出して、ほかの部門の黒字と相殺して法人税を減らす手法を認めない。予期せぬ大規模な節税につながった制度の抜け穴をふさぐ。【関連記事】抜かれなかった伝家の宝刀 国税vsソフトバンクG財務省が問題視しているのは、子会社などが中核事業を放出して企業価値が落ちた状態にしてから売却し、
人工知能(AI)などに続く革新的技術として期待される量子コンピューターが「スーパーコンピューターを超える日」が近づいてきた。米グーグルは、理論上の概念だった性能を実証し、最先端のスパコンで1万年かかる問題を瞬時に解く実験に成功したもようだ。米IBMなども研究に力を入れる。急速な進歩はいずれ人類にこれまでにない計算パワーをもたらす。AIの活用や金融市場のリスク予測などを通じ、社会にディスラプション(創造的破壊)を起こす可能性を秘める。【関連記事】スパコンで1万年分の計算、3分で Google「量子超越」発表グーグルが「量子超越」を達成したもようだ――。英フィナンシャル・タイムズは9月、こう報じた。日本経済新聞が入手した資料によると、
携帯大手の新料金プランが出そろった9月中旬。官房長官の菅義偉(70)が漏らした。「総務省はなめられてるんじゃねえか」通信料と端末代の完全分離を義務付けた改正電気通信事業法の施行が10月1日に迫っていた。菅が昨夏「4割程度下げる余地がある」と表明した値下げを裏打ちする法律だ。しかし、新プランはどれも4割下げの期待からほど遠かった。菅を落胆させたのは次の2つの点だ。一つは購入後100日はSIMロ
国民民主党の森裕子参院議員による国会での質問通告が霞が関の中央省庁に波紋を広げている。15日の参院予算委員会の質問通告が遅れ、台風19号が迫っていた11日に中央官庁の職員が深夜まで答弁準備を強いられたとの指摘がSNS(交流サイト)で相次いだためだ。森氏は15日、問題がないとの認識を示した。森氏は15日の参院予算委で1時間半にわたり質問し、関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役から金品を受け取っ
台風19号の記録的な大雨は、全国の延べ140以上の河川で氾濫を引き起こした。国土交通省は堤防整備など水害対策に力を注ぐが、財源にも限りがあることから急速には進まない。今回のように甚大な被害をもたらす巨大台風は今後も恒常的に襲来する恐れがあり、専門家は「堤防神話」からの脱却を訴える。この台風で堤防が約70メートルにわたり決壊した長野市の千曲川では住宅地など広範囲が浸水。氾濫箇所を映像で見た岡山大
首都を含む多くの都県に「特別警報」が発令され、身近な河川が氾濫する事態を「自分の身に起きうること」と予期していた市民は、どれほどいただろうか。近年、頻発する災害は行政が主導してきた防災対策の限界を示し、市民や企業に発想の転換を迫っている。2011年の東日本大震災は津波で多数の死傷者を出し、防潮堤などハードに頼る対策の限界を見せつけた。これを教訓に国や自治体は、注意報や警報を迅速に出して住民の命
ふるさと納税の2018年度実績が総務省から発表された。受け入れた寄付額とかかった経費、翌年度の住民税控除額を自治体ごとに集計したところ、604団体(34%)が実質的に赤字だった。地方交付税の交付団体であれば控除額の75%は補填されるが、それを加味しても全体の21%にあたる373団体は持ち出しの方が大きい。返礼品競争のエスカレートで制度のゆがみも拡大している。【関連記事】ふるさと納税 まだおかしい 返礼品より肝心なのは返礼品を含め、募集に要した経費は高止まりしている。返礼品の調達費が受け入れ額に占める割合は35.4%で、前年度から3.1ポイント改善したものの、総務省が通知で要請していた「30%」は大きく上回ったまま。送付の費用やサイト利用料など事務にかかる費用を含めた合計では
日産自動車の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)が株価に連動する役員報酬制度について、社内規定に違反して不当に数千万円を上乗せして受け取った疑いがあることが分かった。西川社長の報酬を巡っては一部報道で、日産の株価に連動した報酬を受け取る権利の行使日を変更し、当初より4700万円多い利益を得たとの疑いが浮上していた。【関連記事】西川日産社長の報酬上乗せ問題 3つのポイント日産が4日に開いた監査
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