「アベノミクスは失敗だった」と、はっきりと言えないのはなぜだろう? 異次元の金融緩和を行った上で財政出動(公共投資)を行い、民間投資の喚起を目指して成長戦略も推進する。そのことでデフレを脱却し、経済成長を促す。これが2013年にブームとなったアベノミクスの「三本の矢」だったのだが、足もとの状況を見る限り、とても成功したとは思えない。 目玉政策だった金融緩和については次第に「黒田バズーカ」が不発になり、経済成長の実感が持てない上に、2%のインフレ目標も達成できるどころか、デフレに逆戻りする雰囲気が出始めている。 どう考えてもアベノミクスは失敗なのだが、メディアでは色々議論がなされつつも、「失敗」と断言しているケースは稀だし、国民の世論もそこまでの空気にはなっていない。これは不思議なことではないか。 なぜかというと、アベノミクスはラッキーなのだ。今回はアベノミクスをめぐる「3つの好運」について