慶応義塾大学(慶応大)は5月16日、薄膜化した金属磁性体を用いた磁気の波(スピン)による論理演算方式を考案し、その原理を初めて実証したと発表した。 成果は、同大 理工学部の関口康爾専任講師と能崎幸雄准教授らによるもの。詳細は科学雑誌「Applied Physics Express」のオンライン版に掲載された。 高度情報化社会の基盤となっている半導体技術の進化を支えてきたのはプロセスの微細化だが、すでに先端デバイスでは1Xnm世代へと到達し、その物理的な限界が見えるようなってきた。そうした中で、新しい動作原理に基づく演算素子として、磁気を用いたデバイスは、電気信号ではなく磁気信号を活用するため、省電力につながる新動作原理を提案できると有望視されている。 一方、磁気を用いたエレクトロニクス素子開発では、DRAMと同等の高速性と記憶容量とともに、電源を切ってもデータが消えない性質(不揮発性)を有