新型コロナ対策で国境の出入りを厳しく制限してきた中国政府が、水際対策の大幅な緩和を決めたことは、訪日客が押し寄せる「コロナ前」の姿が戻ることにつながるのか。業界の期待は高まるが、制度面や航空便数の壁はなお残っている。中国国内が感染爆発のまっただ中にあることも、重い課題だ。 中国最大級の旅行予約サイトなどを展開するトリップドットコム・グループによると、27日午前に中国での日本行きの航空券の予約数は前日午前に比べて約4倍に増えた。前夜に中国政府が水際対策緩和の方針を表明。中国からの旅行を扱う「Oriental」(福岡市)にも27日、中国から国際クルーズなどへの問い合わせがあった。担当者は「やっと3年ぶりに忙しくなってくるだろう」と期待を込めた。 「ようやく進んだか、という感じ」。中国・青島市の旅行会社の日本担当幹部は、こう話した。同社はこの3年近く、旅行関係の仕事がほぼなくなったことで、部署の