リニア中央新幹線構想で、JR東海と鉄道・運輸機構は18日、東京−名古屋間の工事費について、長野県側が求める諏訪・伊那谷回りのBルートは、同社が想定する南アルプスを貫くCルートを6400億円上回る5兆7400億円などとする試算結果を公表した。同社の松本正之社長は取材に対し、「(長野県と)これから実質的に話していく数字が出た」と述べ、今後はルート問題にも踏み込んで調整していく考えを示した。 試算結果は同日、都内で開いた自民党リニア特命委員会(堀内光雄委員長)に報告。長野県など沿線自治体にも伝えた。工事費に関し、同社はCルートの想定で自己負担する方針を示しており、Bルートとの「差額」が今後のルート決定にどう影響するのかが焦点となりそうだ。 同社は今後、施設の維持運営費・更新費、輸送需要量、名古屋−大阪間を含めた全区間の試算結果を段階的に公表する方針。建設費など4項目調査の国土交通省への正式報