千葉県流山市の全ての市立小中学校が平成28年度から、運動会の組み体操を全面廃止すると決めた。大阪市教委も同年度から市立学校にピラミッドとタワーを禁じることを決めている。 馳浩文部科学相は「実施の自制を求めたい」と今年度内に事故防止に向けた指針を示す意向だ。骨折などの重大事故が後を絶たないためだが、一律の全面廃止は、さすがに過剰反応だろう。日本の教育現場は、そこまで信用が置けないのか。 議論のきっかけとなったのは、昨秋、大阪府八尾市の中学校で10段ピラミッドが崩れる様子の動画が投稿され、注目を集めたことだった。この事故では6人が負傷したという。 10段のピラミッドは高さ約7メートルに及ぶ。転落や崩落で大けがの恐れがあることは誰でも分かる。こうしたケースでは、まず、学校長や教職員の常識を疑う。 日本スポーツ振興センター(JSC)によると、組み体操による事故は23年度以降、4年連続で8千件を超え