「お化け」を蹴って骨折させた責任はテーマパーク側にもある-。お化け屋敷の利用客が、負傷したスタッフに支払う和解金の7割をテーマパークが負担するよう求めた訴訟の控訴審判決が7月、大阪高裁であった。飲酒後に入場し、空手の有段者ながらお化け役のあごを蹴り上げた利用客。自身の責任を部分的に認めつつ、こうした事態に備えた訓練が不十分だったなどとしてテーマパーク側の4つの安全配慮義務違反を訴えたが、裁判所は全面的に退けた。 発端は約10年前、関西のテーマパーク内のお化け屋敷。昼食時に酒を飲んだ後、知人と手をつないで中を進んだ利用客は、仮装したスタッフが出現するやいなや、右足であごを蹴り上げた。 スタッフはあごを骨折する重傷を負い、利用客に損害賠償を求めて提訴。利用客がスタッフ側に解決金1千万円を支払うとの内容で和解した。 しかし、話はここで終わらなかった。多額の解決金を背負った利用客が、テーマパークの