木製のフェンスにとまった「ブルードX」の周期ゼミの成虫。2004年、米メリーランド州で。周期ゼミは、17年に一度地上で大発生する。(PHOTOGRAPH BY DARLYNE MURAWSKI) 1634年、北米の東海岸に入植してきたヨーロッパ人は、驚きの光景を目にした。赤い目をした何百万匹もの昆虫が、地面から一斉にわき上がったのだ。入植してきた清教徒たちはこれを「イナゴ」と呼んだ。旧約聖書に書かれている災いの一つ、イナゴの大群が現代によみがえったのではと考えたからだ。 だが、この昆虫はイナゴではなく、セミだった。13年ごと、または17年ごとに大量発生する「周期ゼミ」に関する最初の記録だったのだ。周期ゼミは全部で7種、米国中西部と東海岸に生息してする。今年もまた、数兆匹ものセミたちが一斉に地上に現れ、木々を覆い尽くし、交尾相手を求めて騒々しい鳴き声をたてることだろう。(参考記事:「動物大図
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