大阪市内のマンション約70棟に住む生活保護受給者計約2000人に対し、市から保護費として支給されている住宅扶助費が、暴力団が経営していると認定された不動産会社に流れていることがわかった。同社は、各部屋を所有者から借りたうえで受給者にまた貸しし、家賃として受け取る住宅扶助費と所有者への賃料との差額で年約2億円の利益を得ているという。市や大阪府警は「違法性がなく、手が出せない」とするが、事実上、公金が暴力団に渡る構図だけに、専門家は「暴力団排除の流れに逆行する」と対策の必要性を指摘する。 府警や市によると、同社は同市西成区にあり、同社や関連会社名義で借りたマンションの部屋を受給者にまた貸しする事業を約4年前から展開。入居した受給者は毎月、住宅扶助費などとして支給される4万円余を同社側に家賃として支払い、同社側は所有者に払う賃料との差額で、1部屋で月数千円の利益を得ている。 こうした実態は、府警