▲ジュゴンの餌は海草。海底に体をつけて前進しながら海草を地下茎ごと掘り起こして食べるため、その跡は砂地が露出し、少しへこんだ帯状の食べ跡が残る。(写真:北限のジュゴン調査チーム・ザン) 海牛目のジュゴンは草食 ジュゴンは海にすむ哺乳類の仲間で、ゾウと同じ祖先から分かれたと考えられる海牛目に属します。日本の海の哺乳類には、鯨目のイルカやクジラ、鰭脚類のアザラシなどがいますが、これらが魚やイカ、オキアミなどを食べる肉食なのに対して、海牛目のジュゴンは草食です。 ジュゴンの食べ物は、海に生える種子植物の海草です。海草は、ワカメやモズクなどの海藻とは異なり、一度陸上に進出した種子植物のうち、再び海に戻った仲間です。海の中で花を咲かせ、種子をつけて繁殖します。沖縄では海草のことをジュゴン(ザン、ジャン)が食べる草という意味でザングサ、あるいはジャングサと呼んでいます。 海草は主にサンゴ礁の内側や内湾