なにげなく眺める英語圏のエンタテインメント情報サイトやファッション雑誌の見出しに、「フェミニスト」の文字がよく目につくようになったのは、いつ頃だったろう。日本と比較すれば昔からずっとそうだったとも言えるけれど、2010年代、特にここ数年は、若い世代の女性に向けたメディアで、それこそ「いけてる子は全員フェミニスト」ぐらいの勢いを感じる。 もちろんこれは日本在住の、そうした話題に関心のある一個人の観測範囲での話だから、偏っているに決まっている。とはいえ、たとえばセールスや受賞歴など数字の上でも今日のポップ・ ミュージックの世界に君臨する「女王」ビヨンセは、2014年のMTVビデオ・ミュージック・ アワードのパフォーマンスで巨大な「フェミニスト」の文字を背に立ち、その後も女性を祝福する作品を発表し続けている。国連ウィメン(ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関)は、『ハリー・ポッ
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