テクノロジーの襲来によって漢字が厄介者扱いされていた時代があった。未来の漢字の姿をどのようにすべきかを本気で考え、不可侵の領域である字体まで踏みこんだ人々がいた。そんな方々が残した書籍(以下、造字沼ブック)を読み、臨書し、その想いを味わう連載です。今回4冊目。 1995年、パソコンが一般家庭にまで普及する起爆剤となったWindows95(日本語版)が発売された年だ。日本語を書いたり、情報を扱う環境も進歩したことにより「漢字を電算機で扱えない問題」はテクノロジーによって表向き解決された。 これと時を同じくして『漢字の略字デザイン:漢字のサイエンス』と名付けられた1冊の書籍が出版された。今回、造字沼本として「21世紀に向けた漢字の姿」を説くこの本を紹介したい。 ▲『漢字の略字デザイン: 漢字のサイエンス』(長谷川正義・著/1995年) 本書の構成は「漢字の歴史」「略字の必要性」「簡略化の方法」

