大学英語入試に関する2月の東大でのシンポジウムが報告書にまとまってひと月以上経った。シンポジウムの前後に比べると反応が弱く、どのように受け止められたのかはわからない。 東京大学高大接続研究開発センター主催シンポジウム報告書『大学入学者選抜における英語試験のあり方をめぐって(2)』 討論部分で「学習指導要領が高校の終わりまでにA2〜B1レベルの到達を求めている状況で、大学が『A1 以上でいい』と言えるかどうか」と発言したのだが、横浜国立大・上越教育大・福岡教育大・熊本大など、複数の大学が「A1以上」を出願資格とすることにしたようだ(資料)。このことが持つ意味について考える。 この件についてある新聞の記者から質問をもらい、私もこの状況に少し驚いていると返答した。上述の通り、建前とは言え、次期学習指導要領では高校修了までにA2〜B1レベルを目標とすることを謳っており、大学自らが、小中高の教育課程