めぐみ会奈良支部で講演会。 めぐみ会というのは会員30000人を擁する本学の同窓会であり、つねづね申し上げているように、本学の重要なステイクホルダーなのである。 私の「教育はビジネスの語法では語ってはならない」という教育論は学内的には「非現実的」「思弁的」というご批判をいただくことも多いのであるが、同窓会内部には支持者が多い。 同窓生たちの中には億単位の寄付を遺贈する方が少なくない。 それは別にスーパーリッチな卒業生が多いという意味ではなく、彼女たちが「教育というのは本質的に『教える側の持ち出し』である」ということをご存じだからである。 少女時代の数年間を女学院で過ごした人々が、そこで経験した「教える側の持ち出し」という原事実の重さを、齢を重ねるについて思い知るということがあるからこそ、晩年に至って、「お返し」をしなければならないというふうに考えるのである。 昨日お話しした同窓生の方は大正