33歳で年収もうすぐ一千万、有名企業の総合職。 なぜか最近、朝起きられなくなってしまった。 目覚ましの音はもちろん聞いているし、寝続けている訳でもない。 ある日を境に、ベッドから出られなくなってしまったのだ。 寝床から出たくない。立ちたくない、どうしよう、と悶々と考えているうちに時間が経ってしまい、もう絶対に始業に間に合わない時間になってしまう。 なんてダメな人間なんだと、絶望的な気持ちになりながら、体調不良を理由に休みの連絡を入れる。 そんなことをこの1ヶ月ほど繰り返していたら、有給がほぼ尽きかけている。 たまたま仕事が閑散期に差し掛かったところで、出勤できている日もあるので、 仕事に大きく穴を開けるにはいたっていないけれど、それも時間の問題だ。 ゆるい職場ではあるけれど、健康状態をかなり心配されてしまっているし、さすがに休みすぎて不審に思われていることだろう。 このまま異動になったり、
家森:別府くん、この映画いつになったら面白くなるの? 真紀:宇宙・・・出てこないですね すずめ:幽霊はどこにいるんですか? 別府:だから そういうのを楽しむ映画なんです 『スターシップ 対 ゴースト』という、2話で登場した『人魚 対 半魚人』に劣らぬB級感を醸し出す映画を観ながらの4人の会話。まさにこの『カルテット』という作品についての自己言及のようである。面白くない人には本当にずっと面白くないだろうな。アンチドラマで、登場人物はウダウダと動かず、物語展開はどこまでも不親切で、毎回フェイクな予告で視聴者を惑わしたりもする。8話のラストであんなにも視聴者を揺さぶった「真紀は早乙女真紀ではない」というサスペンスも、開始数分であっという間に処理されてしまう。「誰でもない女ですかね」とまで言われていた真紀の本名も”ヤマモトアキコ”とあっさり明かされ、本物の早乙女真紀はしっかり生きていて、あまつさえ
写真という西洋のアクシデント――新しい写真史の構築に向けて 橋本 一径/早稲田大学文学学術院准教授 写真を初めて見る人に、それはどのようなものに見えただろうか 写真は私たちの日常にあまりにも深く浸透しすぎていて、それがなかった時代を想像することすら難しい。家族や友人の姿が写真に写し出されるのを生まれて初めて目にした19世紀の人々の驚きは、いかほどのものだったであろうか。 幸いにもその様子を垣間見せてくれる史料が、私たちのもとには残されている。19世紀後半のベルギーで労働者としてつつましく暮らしていたガスパール・マルネット(Gaspard Marnette)の残した手記である。 20歳になってから1903年に亡くなるまでの日常が記載された、2000ページ以上に及ぶこの手記の中には、マルネットが両親のポートレートを写真館で初めて撮影してもらった際の顛末も記されている。年老いた両親の姿を写真に残
高橋源一郎 @takagengen この前、「方丈記」を現代語に訳したのだが、実は、古典の現代語訳は、個人的に、しょっちゅうやっている。人知れずだが。というのも、普通に古典を読んだり、あるいは、いわゆる「現代語訳」を読んでいてもピンと来ないことが多いからだ。なんか、そういう意味じゃないんじゃないかなあ。そう思える。 2017-03-15 14:38:52 高橋源一郎 @takagengen たとえば、「朕惟フ」と言うと、ふつう「私は思う」と訳す。もちろん間違っていない。でも、なんか違う。「朕」を使えるのは、天皇ただひとり。同時代で、「朕惟フ」を読んだ人は、「私は思う」とは受けとらなかったんじゃないかな。正確だけれど「正しくない」訳、そんな気がする。 2017-03-15 14:40:47 高橋源一郎 @takagengen というようなことを、昨晩、ここ何年か連載している「論語」全訳の途中
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