2020年の「さ、ひっくり返そう。」や21年の「レシートは、希望のリストになった。」など元旦広告で企業としての在り方を語ってきた西武・そごう。その裏ではクリエイターとの協働の中で各年の社会状況に合わせさまざまなストーリーを見出してきた。百貨店が苦境に立たされる中、前向きなメッセージはどのように生み出されているのか。 シニア向けのコミュニケーションから企業広告へ 2016年から西武・そごうの広告を担当しているのは、フロンテッジのチーム。当時から企画に携わってきたシニアクリエイティブディレクター 上島史朗さんは、これまでの経緯をこう話す。「最初はシニア世代向けのコミュニケーションに取り組みたい、とご相談いただきました。その頃実施した、ファッションアイコン『アイリス・アプフェル展』に大きな反響があったようで、自分を持った新しいシニア世代を大事にしたい、という想いを持たれていて。そこで樹木希林さん