平塚らいてうの『青鞜』からおよそ100年。#Me Too運動が高まりを見せるなか、今あらためてひとりの女性が注目を集めている(構成=島崎今日子 撮影=松本路子) 【写真】リブ集会で発言者の話に耳を傾ける田中さん * * * * * * * ◆私の上にだけなぜ石が落ちてきたのか ――1970年代初頭、この人が「生き難い女、この指止まれ!」と呼びかけた1枚のビラから日本のウーマン・リブは始まった。田中美津さん、76歳。現役の鍼灸師にして、「リブのカリスマ」と呼ばれるが、当人はそんな称号をことさら喜ばない。 リブの権威なんて、周りが勝手にそう思ってるだけです。『フェミニズムの名著50』に選出された5冊の日本人の著作の中に、与謝野晶子や平塚らいてうらの作品と一緒に私の書いた『いのちの女たち─とり乱しウーマン・リブ論』も入っています。 著者5人の中で、生きてるのは私だけ。講演会に呼ばれた時など「今な