図書館がなく、書店も村営1軒しかない福島県飯舘(いいたて)村が、不要になった絵本の寄贈を全国に呼び掛ける。「絵本リレー」と名付け、寄贈本は子どもに読ませるだけでなく、希望する妊婦らに無料で配る。菅野典雄村長は「使われない絵本にもう一度命を与え、子どもの感性をはぐくみたい。“本の過疎地”の小さな村には皆さんの協力が必要」と訴えている。【関雄輔】 飯舘村は阿武隈山地の山あいにある人口約6000人の過疎地。男性職員に育児休暇取得を義務付けるなど、子育て支援に力を入れている。だが、財政状況が厳しいため図書館を建設できず、学校の図書購入費も乏しい。村は95年に全国でも珍しい村営書店「ほんの森いいたて」を開設。これまでに約25万冊を売ったが、都市部に比べると、子どもたちが本に触れる機会はまだまだ少ないのが現実だ。 「絵本リレー」で寄贈を呼びかけるのは、小学生までを対象とした絵本。送料も負担してもら