著: 玉置 標本 (撮影:宮沢豪) 5年前に佐渡島でたまたま知り合った友人が、移住2年目にして唐突にドーナツ屋を始めたという話を人づてに聞いた。しかも山間部、なんなら山奥といっていいような集落でだ。大変失礼ながら、そこだと常連客はタヌキくらいではと不安に思ってしまったが、オープンから4年目に突入し、今も順調にドーナツを揚げているようなのだ。 そもそも彼はなぜ佐渡に移住したのか、そしてなぜドーナツ屋をやることになったのか、そしてそれが成功している理由はなんだったのか、じっくりと話を伺ってきた。 この立地でドーナツ屋ってどういうことだまず大前提として、佐渡島がどんなところなのかという話をするが、離島といっても中心部の大通り沿いは、大型家電店やスーパーマーケット、各種全国チェーン店が立ち並ぶ、よく見かける郊外の地方都市。そしてそこにはミスタードーナツも一軒ある。飲食店を出すのであれば、フェリータ
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