以前、映画『国道20号線』の富田監督と対談した時、社会がどんどん発展して、インフラや 衣食住の地域差がなくなるほどに、逆に地方と東京の格差は拡大するよねという話題となった。 国道というインフラを通じて、地方は物流から価値観にいたるまで東京型に組み込まれ、 都市から流される情報の受け手に成り下がる。その中で育った若者の多くは都市へと流出し 後にはチープで金太郎飴的な寂れた地方都市だけが残るというわけだ。 その時は解決案までは思い浮かばなかったのだが、たまたま手にした本書の中にそれがあった。 もはや日本は全国一律のインフラは維持できないので、今後は過疎地域から中核都市への 集約が進むはずだ。その中で、駅前の再開発や大規模ショッピングセンターの誘致は、一見 すると時流に即したアプローチに見える。 だが“宇都宮109”のように、失敗するものが少なくない。 むしろ、松江の天神町商店街や善光寺前のぱて