小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの人生は、そのユニークさゆえに、国内外を問わず人々の関心を集めてきた。この秋、英語による新たな伝記が出版されたが、英誌「スペクテイター」は、彼の「寛容の哲学」を学ぶにあたって、これほど絶好の時期はないと評している。 根っからの汎神論者 『アウトサイダー:ブードゥー教、クレオール料理、日本の幽霊を世界に紹介した男、ラフカディオ・ハーンの生涯と作品』(未邦訳)。伝記本のタイトルとしてはややこしいが、ラフカディオ・ハーンという、世界中を旅した作家・ジャーナリストにして、日本の怪談の翻訳者として最も有名なこの人物は、ややこしい人生を歩んだのである。 1850年、アイルランド人で英国軍軍医の父と、ギリシャ人貴族の血を引く精神的に不安定な母という難しい夫妻のもとに生まれた彼は、まもなく両親に捨てられることとなる。 母親は精神病院でその生涯を終え、父親は再婚したのち、若く
![“アウトサイダー”小泉八雲の「異文化への寛容の精神」を学ぶ | 冒険と異文化を求め続けた彼の人生](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/353c34106f41d77d86c79b03dbb9a5d978d00e3b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcourrier.jp%2Fmedia%2F2023%2F11%2F17195012%2FGettyImages-480730596-e1700185936480-1600x900.jpg)