きょう5月2日は、2009年に58歳の若さで世を去った忌野清志郎さんの命日です。もう5年も経ってしまったということが驚きですが、そんなタイミングで彼の26年前の書き下ろし作品『ネズミに捧ぐ詩』(忌野清志郎著、KADOKAWA)が日の目を見ることになりました。きょうは、この作品について書いてみたいと思います。 なお主観的で恐縮ながら、(面識があったわけではありませんが)私にとっての忌野清志郎さんはRCサクセション時代からずっと、「忌野清志郎さん」である以前に「キヨシロー」でした。おそらくそれは彼のファンすべてが共有できる感覚であり、「さん」づけすると逆に不自然な気がするので、ここから先は最大の敬意を込め、あえて「キヨシロー」と表記させていただきます。 恐るべき赤ん坊 本書は1988年2月、キヨシローの父親の死をきっかけとして書かれた作品。プレスリリースには「実母への溢れ出る想いを、繊細かつ瑞